
持続可能な光源と古民家ならではの造作の新結合により蘇った陰翳礼讃
「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」は、谷崎潤一郎が、雑誌「経済往来」で1933年12月号から連載した随想評論です。
陰翳礼讃とは文字どおり、陰翳を敬い褒め讃えることです。そして、この陰翳とは、光の直接当たらない暗がりのことですが、真っ暗な闇ではなく、光の存在をわずかに感じるぼんやりとした薄暗がりの状態を意味します。
日本の伝統的な生活様式に、電灯という西洋文明の利器が侵入してきた近代化によって生ずる、美的な不調和を谷崎は嘆きます。蝋燭からランプ、ガス灯、電灯へと、絶えず明るさを追求し、陰を消そうとしてきた西洋文明に対して、日本の伝統文化には暗がりの中に美を求める美意識があるとしています。電灯がなかった時代の日本の美の感覚、生活と自然とが一体化し、真に風雅の神髄を知っていた日本人の芸術的な感性に着目し、衣食住から芸能等に至るまで様々な角度から論じています。
承継樓では、古民家ならではの優美な造作と、LEDや太陽光発電などのサステナブルな光源を新結合することで、令和の「シン・陰翳礼讃」を創造、提起しました。
シン・陰翳礼讃
承継樓のシン・陰翳礼讃は、以下の3種により構成されています。
- 古民家ならではの造作に、最適で多様なLEDを新結合した間接照明による陰翳礼讃
・長押、ほぞ穴、下地窓、火頭窓、書院窓、格天井、欄間、燈籠等の古民家ならではの造作に、それぞれの照明の場所や形状、目的に合わせた最適なLEDを組み合わせて仕込むことで、玄関の内外、和室、客間、リビング、廊下、トイレ、屋根裏等各所に、多種多様な間接照明を配備。
例:長押の裏、鴨居の溝などの狭く長い場所や、4mの古材の曲がった長い縁等に、最適な各種のテープライトを活用。
例:燈籠には炎の揺らめきを表現するLEDを活用
・LEDの光を、筬欄間や竹小舞、石目硝子、組子硝子、レトロ硝子などの硝子や障子を透したり、光を網代天井や、茅葺等に映し出すことにより、間接照明による繊細な美しさを追求
・スライド式リモコン等による無段階調光可能なLEDにより、明暗と色の寒暖を自由かつ微細に表現可能に - 明暗/人感センサー自動点灯式太陽光発電LED灯によるサステナブルな陰翳礼讃
・明暗センサー自動点灯式太陽光発電LEDの光が、門出の手漉き強化和紙に灯る辻燈籠
・明暗&人感センサー自動点灯式太陽光発電LEDを、バルコニーの胴差の渡り顎や支柱のほぞ穴に設置 - 自然光を意図的に採り入れたサステナブルな元来の陰翳礼讃
・夕日と朝日の差し込む箇所に、格子障子戸、組子戸等を配置し、元来の陰翳礼讃の美を追求
1. 古民家ならではの造作に、最適で多様なLEDを新結合した間接照明による陰翳礼讃













2. 明暗/人感センサー自動点灯式太陽光発電LED灯によるサステナブルな陰翳礼讃


3. 自然光を意図的に採り入れたサステナブルな元来の陰翳礼讃
夕日&朝日の差し込む箇所に、格子障子戸、組子戸等を配置し、元来の陰翳礼讃の美を追求しました。



