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【いにしえがえり】戦後のリフォームで失われた、堅牢優美な古民家建築を蘇らせる技法

上の写真はどちらがbefore(改修前)でどちらがafter(改修後)でしょうか。

答えは、右がbeforeで左がafterです。
この庄屋の古民家は戦後、以下のようにリフォームされました。

  • ビニールクロスの天井を張り吹き抜けをなくした。
  • 壁全体をビニールクロスで覆った。
  • 欅の柱にもビニールクロスでを巻いて隠した。
  • 床をビニールタイルに張り替えた。

結果として、木の温かさ美しさに包まれた古民家が、化学製品PVCで包まれたビニールの家に変わっていました。
令和5年のいにしえがえりでは、時間をさかのぼり、戦前の美しい古民家の姿に戻し、それだけでなく、断熱、耐震等の弱点を補強し、古民家の優美と安心/快適の両立を実現しました。

ビニールクロスばりだった玄関ホールを、囲炉裏などの伝統技術が満載のおもてなしスペースに再生しました
  • ビニールクロスの天井を壊し、茅葺の吹き抜けを戻した。
  • 欅の柱や壁を覆っていたビニールクロスを外して構造と壁を現しにした。
  • 床をビニールタイルから檜木の板張りに戻した。
  • 建具を陳腐なガラス戸から格子の板戸に戻した。
  • 茅葺部にはロフトを新設。
  • 天井の高さ124cmを上げ、梁を現しにし、茅葺を一部現しにした。
  • リフォームで10畳と5畳に仕切られていた空間を15畳の一部屋に統合。
  • 5畳部分の壁と欅の柱を覆っていたビニールクロスをはがして構造と壁を現しにし、べニアの床を畳に変更。
  • 解体した仕切り部の長押と鴨居、吊り塚、障子戸を移設。

玄関

  • 上に和室の天井を移設
  • ビニールクロスの壁を壊し、下駄箱をなくし、玄関を大きく拡大
  • 洗面台との仕切りとして下地窓を設置し開放感を持たせた
  • ビニールタイルの床を欅に変更
  • 火頭窓を設置し、石目硝子を入れ内側に障子を設置
  • 上部に採光用の石目硝子窓を設置
  • 式台を輸入材から国産の栃に変更
  • タイルを玄昌石に変更
  • 有田焼の壺を配置
  • 浮造りの下見と和タイルで囲んだ
  • ビニールクロスの天井を杉x神代斜市松網代天井に変更
  • ビニールクロスの壁を珪藻土の壁に変更
  • 男女2つのトイレを最新式の一つのトイレに統合。
  • ビニールクロス張りのべニアのトイレ扉に代わり板戸を納屋から移設
  • 2つのトイレの扉の窓ガラスを一つの扉に移設統合
  • ビニールタイルを檜木無垢フローリングに変更
  • 洗面台を欅と自作陶器に変更
  • 窓を障子付き火頭窓と石目硝子窓に変更